Dr. パッチ・アダムスの「ほんとうの癒しが起こるとき」 医療関係者、特別割引制度あり ベテラン手話通訳付き!! 耳や目の不自由な方も「割引」+座席前列保証(聴覚障害者のみ)!! ロビン・ウィリアム主演の同名映画の実在モデル。ホスピタル・クラウンとして、今も世界の施設や被災地をめぐり、愛とユーモアと友情を体現するDr.パッチ・アダムスのヴォイスでの2回目の講演は新テーマでお願いしました。
★当イベントの後、9月には体験的2日間ワークショップも»

◆私は、1971年に医大を卒業して、「ゲズントハイト・インスティチュート」を設立しました。当時、医者が3名、スタッフ20名、ベッドルームが6つで、初期のプログラムを12年間、無料で提供しました。しかし寄付申請をした1万4千の財団からは、寄付をすべて拒否されましたが。(※当時はかなり奇異に思われていた)

◆無料にしたのは、貧乏なひとのため、というよりは、近くのコミュニティに属するひとには、医療費を払う必要がない、と考えを知らしめたかったのです。

◆ゲズントハイトでは、71年当時から代換医療をおこなう全米でたったひとつの施設でした。

◆私は当時、医師になるときに、患者ひとりにつき8分で相手の状態を認識するように訓練されましたが、当時ゲズントハイトでは、ひとりにつき4時間かけていました。私は相手に深い質問をすることで、相手の人を、とことん知りたいと思ったのです。

◆私はゲズントハイトで、ユーモアを使うことで、生きることや死ぬことでさえも、面白、おかしくなるようめざしていました。

◆寄付がなかったので、医師やスタッフは他で働いて無料診療を続けましたが、最初の9年間、どのスタッフもひとりとしてゲズントハイトから出て行きはしませんでした。

◆(反ソの)レーガン政権時代には、いまのロシアにも、ホスピタル・クラウンとして出かけていきました。それはいまも続いています(※今も続くロシアでのクラウンニング)。

◆私は今まで1万人くらいの死にゆく人たちと共にいました。そしてそのことによって、自分自身に、とても得るものがあった。へんな言い方ですが、死にゆく人々と共にいることによって、私はある種、幸せになるのです。

◆ケアとは、能動的な動詞で、報酬を考えることなく、時間を通じて、継続的に相手に対する愛情を能動的に伝達していくことです。

◆ナチの強制収容所で3年間生き延びた精神科医ヴィクトール・フランクル(※著書「夜と霧」[みすず書房刊]は今も読める)が、こう言っています。「強制収容所にいた私たちは覚えている。私たちの目の前を収容されている人々が通りすぎ、自分が持っていたパンの最後のひと切れを、他の人に差し出しているのを。そのような人々は少ないかもしれないが、常に私たちは『人生の道を選択することができる』のだ」と。

◆パッチの、ケアに関する「7つの信条」

◆私は海外にクラウニングに行くときは、必ず現地の言葉を最低3つは覚えていきます。ひとつは「お友達」そして「ありがとう」「愛しているよ」です。

◆DVDのこの子は(写真の子とは別です)、脳性麻痺です。私は彼女に対して非常に集中しています。そして彼女に触れています。他のなにも目に入りません。私にとって、存在するのは、まったく彼女だけです。

◆私と彼女は(クラウニングなどを通じて)、楽しい時間を過ごしていました。しかし、彼女はよだれを垂らすのをコントロールできません。思わず、よだれに意識が向かって(はずかしい、という気持ち)、楽しさから出て行ってしまいます。でも、私は彼女に伝えます。「いいんだよ、いいんだよ、さあ私の腕によだれを垂らしなさい」と・・・。

★★★9月には2日間ワークショップ★★★

2009年9月26日(土)・27日(日)には、パッチが人と接するときの「独特の自身の立ち位置(気持ち/意識)」「言葉と言葉を越えた独特のコミュニケーション」などにフォーカスした2日間の体験的ワークショップを開催します。医療関係者割引あり。乞う、ご期待!!

パッチ・アダムスを映画から知った、という方は多いでしょう。1998年公開のアメリカ映画「パッチ・アダムス」は、いい役柄が多い、天才的な役者ロビン・ウィリアムスが主演。これをご覧になって泣いた人も多いかと。いくつかを除いて、基本的には事実に基づいて脚本が書かれています。脚本に名を連ねるハンター・アダムスは、パッチの実名。TSUTAYA などの映画レンタルの名画コーナーに必ずあると思いますので、ご覧になってみてください。この映画で事実と異なるのは、殺されたのはパッチの恋人の女性ではなく、友人の男性であること、精神科に入院した年齢がもっと若いことなどでしょうか。

いま入手可能なのは、文庫本「パッチ・アダムスと夢の病院」(主婦の友刊)と、イラストブック「心からのお見舞い」(英潮社刊)。文庫本がいいですかね。 700円だし。いい言葉がいっぱい詰まってます。共著ですが、パッチともうひとりは映画の脚本を書いたひとと同一人物です。そういえば、ヴォイス刊の、言葉があなたをつくる、という内容の良書『「思い」と「言葉」と「身体」は密接につながっている』の序文をパッチ・アダムスが書いていたのを思い出しました。喜多見はその頃から興味があったのでした。

パッチが全人生をかけて実現しようとしている「診療無料」で「ホリスティック」で「アットホーム」な医療を提供する夢の病院。それがゲズンハイト・インスティテュート。ゲズンハイトは「お達者で」の意味のドイツ語。言ってみれば、「お達者で病院」・・・。米国東のウェスト・バージニア州ポカホンタスに土地は確保され、簡単な施設は建っている。これから、個人の募金を中心にしたファンディングで病院の建物を建てようとしています。このインスティテュートができたのは1971ですから、かれこれ40年近くも、パッチは夢に向かって歩み続けいます。本当にすごいのは、この彼の、まったくめげない姿勢ではないでしょうか。実に粘り強く、一歩も彼の理想をゆずることなく、今日もかれは世界を飛び回ってクラウニングをおこない、世界の病院や被災地に彼の笑いと愛を届け続けているのです。

パッチは西洋医だが、「お達者で病院」では、ヒトをより全体的な存在として扱い、西洋医学はもちろん、代替医療やホリスティックな視点も入れて、トータルに癒していくことをめざしています。そしてなによりも、ゆったりした時間のなかで、充分な愛と友情とを育みながら、あるときは、農作業をしたり、絵を描いたり、音楽を奏でたり、自然のなかでおこないつつ、治療するという独特の医療環境をめざしています。日本では、ちょっと違うけれど、立っている場所は「宮沢賢治」が近いような気がします。日本でも、医師の方、医療関係者、ビジネス界の方、さまざまな方が彼の活動に賛同して、サポートをしているようです。

日本では病院にかかっても、比較的リーズナブルな料金で観てもらえるのは、ほとんどの人が保険に入っているから。今でこそ、この国民健康保険制度は、少しほころび始めていますが、日本が世界に誇れる数少ない制度のひとつです。米国にはこの国家の国民全員保険という制度はなく、各人がプライベートな保険に入ります(保険料はとても高額なので、入っていないひとも多い)。また医師の側からみると、医師と患者、あるいは家族との間に信頼関係の醸成が充分でなく、医療訴訟費用をまかなうための医療保険は、残念ながら、現代ではほとんど必須の状態になっています。しかしパッチは、このこの医療保険にも加入せず(無料ですし、訴えられることを想定していない)、医療とビジネスを分ける、という一徹な考えから、診療報酬も運営資金も募金でまかなうという考えで行おうとしています。

日本でも、パッチとも親交の厚い大棟耕介さんが「ホスピタル・クラウン」というご本を出していらっしゃって、クラウンを養成したり、病院を慰問したりして活躍なさっています。ヴォイスでも以前、笑いのセラピーを教えている先生を招聘していましたが、彼女がカナダの救急車に子ども用の大きなテディベア(ぬいぐるみ)を「医療スタッフ」として乗せるという試みをしていました。この例と似ていますね。赤い鼻やおかしな恰好で、病院の小児病棟などを訪ね、心からの交流をします。つまりヒトは、病だけでなく、ひとりの人間としてホリスティックに回復していくのだ、という考えが根底にあります。もちろん、クスリも使うのでしょうが、クスリに増して大切なのは、そのひとが「幸せ感を感じること」であるとパッチは著書のなかで語っています。日本ではクラウン(ピエロ)の文化はありませんが、そのユーモアあふれる存在感には癒されるものがあります。クラウニングは単純にはピエロを演じることですが、この場合はクラウンの恰好で癒しをもたらす行為でしょうか。それを病院でおこなえばホスピタル・クラウン。1985年から毎年、パッチと日本人も含む仲間たちは、ロシアなどの国々を定期的にクラウニングで訪れており、被災地などにも手弁当で訪ねる活動をしていらっしゃいます。

医師パッチ・アダムス、本名ハンター・アダムス。1945年5月28日生まれ。パッチは、日本語でいえば「ばんそうこう」か。ばんそうこうアダムスのニックネームは、映画のなかで描かれているのが事実であれば、パッチが若いときに入院した精神科の病院にいた富豪の患者から、こうあだ名をつけられたことになっています。ここから彼の人生は大転換をして、愛の医師をめざしジョージ・ワシントン大学の医学部に入学したのが1964年。1967年バージニア医科大学入学。2008年の誕生日で彼は、63歳になられます。まさに団塊の世代で、あの60年代終わりの熱い公民権運動やベトナム反戦などの影響を受けなかったはずはない。しかし年齢を感じさせないエネルギーを今も感じます。病気ひとつしたことがない、と本にも書かれていますが、お電話で話していても「私はエナジェティック(元気まんまん)だから、日本に着いたその日から講演できる」などとお話になっていて、活動的なのですが同時に、静かな環境を好むところもおありです。かつて若いときに、軍人だったお父様の関係で日本にいたこともあり、寿司やウナギも好物と聞いています。アリメカ人でウナギが食べられるひとは、20年この仕事を通じてさまざまな先生と関わりましたが、この人で 3人目です・・・。小説は吉本ばななさん、スポーツは相撲がごひいき。日本にも何度か来日して、講演もおこなってきた。パッチの仲間たちといえるような日本人の医療関係者もいらっしゃいます。ゲズンハイトが完成したあかつきには、常勤スタッフにと誘われている日本人スタッフも。体験談の金本さんもそうしたひとりです。

Dr.Patch Adams 2nd by VOICE W/S
Dr.バッチ・アダムスの「ほんとうの癒しが起こるとき」

日時 2009年5月19日(火)
18:20~20:50(受付17:20)
場所 日本教育会館(〒101-0003東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
地下鉄都営新宿線・東京メトロ半蔵門線神保町駅(A1出口)下車徒歩3分

バリアフリー対応施設

定員 800名前後
※混雑が予想されます。お早めのご予約・ご入金を。
通訳 英日ベテラン通訳+ベテラン手話通訳付き
受講料
  • 一般の方の事前申込:8,000円(税込)
    当日受付:10,000円(税込)
  • 医療関係者事前申込:6,500円(税込)
    当日受付:8,000円(税込)
    (医師・看護士・病院関係者・各種治療院・介護関係者・カウンセラー等)
    ※当日受付時に従業員証や名刺などをご提示ください。
  • 耳や目の不自由な方、ハンディキャップのある方の事前申込み:6,500円(税込)
    当日受付:8,000円(税込)
    ※お申し込み時の区別欄に、そのようにチェックしてください。またお客さまのEメールアドレスは必ずご記入ください。備考欄に聴覚・視覚など、ハンディキャップの種類をお書きください。当日、受付にて身体障害者手帳の提示をお願いする場合があります。
ご予約方法
  • 必ず下記、株式会社ヴォイスワークショップ宛に「お電話」いただくか、当サイトにて必要事項をお書き込みの上、送信ください。
  • 次に下記振込先に上記の税込料金を1週間を目安にご送金ください。
  • 確認が取れ次第、こちらから最終案内を郵送します。最終案内は当日の入場券も兼ねています。当日ご持参の上、受付にお渡しください。お振込手続きが当日近くなると、最終案内のお届けがイベント開催に間に合わないことがございます。その際は、振込控えを受け付けにご提示ください。
  • 当日の受付は、医療関係者受付/ハンディキャップの方受付と一般受付は別の受付となります。
振込先 銀行口座
みずほ銀行 広尾支店 (店番号057) (普) 1990547
名義 : 株式会社ヴォイスワークショップ
主催/申込先電話番号 株式会社ヴォイスワークショップ
〒106-0031 東京都港区西麻布3-24-17 広瀬ビル2F

電話:03-5772-0511

FAX:03-5474-5808
営業時間(問合+受注)平日9:30-18:00
受注センター(受注のみ)全営業時間外18:00-翌朝9:30(24h)土日祭日も。
株式会社ヴォイスワークショップは、VOICE(出版社)グループの会社です。
ご注意
  • お申込みだけではお席の確保ができません。お振込を忘れないためにも、1週間を目安にお振込みをお願いします。振込確認後に「完全な予約」となります。
  • お振込確認後に、「最終案内」(チケットも兼用しています)が郵送されます。★その紙を当日忘れずお持ちください。当日が近くなると郵送が間に合いませんので、振込確認ができる振込票などを当日、お持ちください。
  • お振込み後のキャンセルは、基本的に承っておりません。当日おいでになれない場合は、参加権利を他の方にお譲りいただくことは可能です。代わりの方のお名前のご連絡をお願いいたします。
  • ヴォイスは会員制(無料)で運営しています。隔月刊の会員誌(無料)のお届けなどがありますので、ご希望をなさらない方は、電話口または専用サイト等からの申込の途中で、「会員希望しない」を選択ください。会員誌には一部スピリチュアルな内容等も含みます。(会員誌のお届けは後ほどお電話で停止することもできます)
  • ご予約されても、お席は指定席とは「なっておりません」。耳の不自由な方を除いて、自由席となりますので、前方の席をご希望の方は、当日会場にお早めにおいでください。
  • 耳の不自由な方については、最前列からお席をご予約人数分だけ確保致します(視覚障害等の方は自由席)。お電話などでお申し込みの場合は、必ず、ハンディキャップの種類が弊社に伝わるようにしてください。
  • 5/14以降にお申込をされる方へ
    入金確認後にお送りする「最終案内」ですが、郵送ですと開催までの到着に間に合いませんので、5/15日以降の発送はいたしません。
  • Webページをご覧になれる方は、こちらで会場の地図をご確認ください。
  • E-Mail(携帯不可)、FAXなどで最終案内をご希望の方は、お手数ですがお申込の際に、その旨と、FAX番号などの連絡先を自由記述欄にご記入ください。入金確認後にメール添付、あるいはFAXにて「最終案内」をお送り致します。
VOICE/
VOICE WORKSHOP
について

株式会社ヴォイスは、20年前に設立された自己成長専門(一部精神医療)の出版社で、単行本の出版をおこなっています。今回の主催社である株式会社ヴォイスワークショップは、ヴォイスグループの一員で、心理セミナーや、各種セラピーなどを海外講師を中心として東京・大阪などで開催しているセミナー会社です。

株式会社ヴォイスワークショップ
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布3-24-17 広瀬ビル2F
電話番号:03-5772-0511 FAX:03-5474-5808
代表者氏名:堀真澄
営業時間: (月) ~ (金) 9:30AM~18:00PM

本年度のお申込み受付は終了いたしました。

「いつも、きちんと人と対面することの大切さを教えてくれるんです。」

――――  08年11月のクラウンツアーに参加して

初めてパッチに出会ってからもう6年になりますが、時々私はパッチが医師であることを忘れてしまうことがあります。いわゆるドクターのいでたちである白衣とは似ても似つかわない、パッチオリジナルの衣装を始終身につけ、子供のようにはしゃいでみたり、怒ってみたり、涙を流したり、おかしなことを言ってみたり...

そんな場面を含めてどうしても彼がドクターであることの認識が頭から離れてしまいがちになります。

ドクターは病院にいてカルテを見ている、という図式が出来上がっていたのでしょう。それが今回のロシアツアーから帰ってきたときに「やっぱりパッチはドクターだ。それも患者にとって、人間にとって最良のドクターだ」と改めて認識するようになりました。

今回のツアー中、私とパッチと共に日本から参加した一人のクラウンと向き合って話す時間をもったことがありました。そのクラウンは自分に自信がもてず、日々の生活で、まわりとコミュニケーションをとることに悩んでいました。そんな自分をなんとか変えたいと一大決心でこのツアーに申込みましたが思うようにいかず、まして言葉の壁もあって、ますます孤独を感じているようでした。パッチと話しがしたい、自分の話を聞いてもらいたいという彼女からの意向を私が伝えると、翌日、移動中のバスのなかで私と彼女を呼び寄せて話す時間を作ってくれました。パッチは、彼女の手と自分の手を合わせ、じっと話に耳を傾けています。そして未熟な私の通訳にも気を遣いながら、ゆっくりとわかる言葉で話しをしてくれました。決して彼女を否定せず、彼女の持っている魅力を引き出す、パッチ流のアプローチでした。

気づいたら1時間ほど時間が経っていました。となりで一部始終を見守っていた他のクラウンにパッチは「It's my life」とつぶやきます。こうして人の話に真剣に耳を傾けること、助けを求めている人に手を貸すこと、人を助けることが、彼の当たり前の生活であり、それが彼の一生なのだと思いました。

もちろん白衣を着て手術をしたり、薬を出すドクターも必要です。痛みをとる医療も必要です。でもそれだけでなく患者の話に耳を傾け、その人の背景や歴史をイメージし、相手の痛みを分かって支える医療をしてくれるドクターを、私たちが求めていることも事実です。それを理想としてではなく、まさに実践しているのが、パッチなのだと思います。

人生の一番つらかった時に出会ったパッチ。おそらく彼に出会わなかったら、今の私はなかったと思います。クラウニングやGesund Heite でのボランテイア活動、そしてパッチを介して出会った人たちとの時間を重ねることで、「人と一緒に過ごすって、こんなに楽しかったんだ!」と思えるようになりました。

そしてなにより、自分の人生に感謝しています。Awesome my Life!!

金本麻理子(ゲズンハイト日本人ボランティア・コーディネーター)

★[素顔その1]

去年の来日時パッチと数名の仲間達と中華街に行きました。中華料理の円テーブルを囲んで親しい仲間との再会を楽しんでいたんですが、しばらくして、パッチが出てくる料理にまったく手をつけてないのに気づきました。あら、パッチは中華料理があまりお気に召さなかったかな、と案じていましたが、「あと何人ここにくるの?」と彼が聞きます。私は「もうこれで全員揃ってますよ。これ以上来ません」と答えました。それを聞くと、パッチはとたんに、料理に手を伸ばして食べはじめました。そっか、パッチは後から来る人の事を考えて、箸をつけなかったんだ、とわかりました。そうとは知らず私達はどんどん平らげていたんですけれどね・・・。いつでも、まわりにいる人達に、とてもきめ細かい気づかいを忘れないパッチです。しかもとても自然に、心を配っているんです。

★[素顔その2]

建設中のゲズンドハイトでの、パッチの仕事のひとつは「皿洗い」です。みんなが食事が終わったころを見計らって、汚れたお皿を集めては、流し場に持っていって洗いものを始めます。人数が多いときには、もちろん何十枚にもなるお皿やら、料理に使った鍋などが山のように並びます。しかしパッチは嫌な顔ひとつせず、まるで宝物でも前にしたように、喜んで取り掛かります。いわゆるトップに立つ人がこのような仕事をするのは稀な世の中ですが、これが彼の理想とする「夢の病院」の姿です。ドクターも患者もイコール。上の者も下の者もない。そして「洗い場こそが絶好のコミュニケーションの場」なのだ、ということなのです。実際に洗い場に集まった人達は、たわいのない話をしたり、思いがけず悩みを話したりするのです。パッチが何人もの人と、お皿を洗いながら相談に乗っている場面を何度も見ています。

★[素顔その3]

ロシアでのクラウニングツアーでは、一晩夜行列車で移動する事があります。40人近くのクラウンたちが大きな荷物をかかえ、小さなコンパートメントに入ります。電車が夜、出発するとき、そして早朝に電車が着いたとき、パッチは参加者の荷物運びを先頭に立ってやります。それこそ大きなスーツケースを限られた短い時間の中でどんどん運び出します。このような重労働を、ただ見てるだけでなく率先してやるのがパッチの、いつもの姿なんです。

★[素顔その4]

パッチは大変な読書好きです。それこそ彼の自宅は本だらけで、まるで図書館のようだといいます。去年の1週間の滞在時に、5冊の本を読み切ったようです。日本の書物も良く読んでいるようで、お気に入りの作家は、吉本ばなな、遠藤周作、阿部工房、三島由紀夫など。他にも数多くの日本の作家の名前を聞きました。去年の夏の来日前にお会いしたときは、日本の映画を百本くらい見ているとおっしゃっていました。それも昔の映画のようで、黒沢明監督の名前も出ていましたね。来日を前にあらゆる方向から日本を考え勉強していたのでしょうか。